来週に会いたい

 

普通分娩を希望している限り、子どもが出てくる日をコントロールすることはできない。でも札幌にいる夫の仕事の都合的に、できれば来週中に出てきてほしい。さらにいうなら12日あたりにしてもらえると、嬉しい。(ちなみに予定日は18日だけど、その前までの3週間とその後2週間がいつ生まれても良い期間、正産期とされていて、予定日はただ最終月経開始日から280日目という機械的に計算された日なので、その日に出てくることのほうが少ないらしい。)

そんなに思い通りにいくわけない、ということは承知の上で、できる努力はしてみようと思っている。

まずこれまで、正産期に入るまでは1時間、正産期からは少ない日で30分、できれば2時間、多い日で3時間くらい歩いている。

産院まで3.5キロくらい、天気が悪くなければ健診には往復歩いて行っていて、すると2時間くらいになる。それが余裕になってきたので、家から4キロの蔦屋書店まで歩いて、買物して、歩いて帰ってきたらさすがに帰り道は足が痛くて、7キロ余裕だからって10キロ余裕ってわけじゃないんだなあと思ったけど、次の日には身体が軽くなっていたので、筋肉をつけるのはいいなと嬉しくなった。

子どもが生まれてくるのには色々な条件が整う必要があるらしい。それが整うのは一気に短時間でということもあれば、長い時間かけて少しずつということもあって、一様ではないし、何をすればどうなるというのも確実ではないのだけど、子宮の出口が柔らかくなる、というのはひとつ必要なこととしてあるという。

そのためには子宮を張らせるのがいいらしい。たぶん張って戻る、張って戻る、という収縮の繰り返しで柔らかくなるのだ。

で、散歩はそのためのひとつの策としてある。散歩するとなんで張るのかはよくわからない、絶対確実というわけではなさそうだけど、やり始めると楽しく、歩くのも気持ちが良いので、わりと歩くようにしていた。

ただ、散歩してもそんなに張る感覚はないのだった。それが6日までで、健診でも子宮口ガチガチだからたぶんまだまだでしょう、ただ破水して急に柔らかくなることもあるからわからないけどね、と言われたので、さらに策を増やした。

まずスクワット。それまではやったりやらなかったりだったのを、100回やってみた。お湯が沸く間とか、ネットプリントに出す写真をアップロードしてる間とか、料理を煮込む間とかに10回ずつちょこちょこと。やるとまあ、直後には少し張るような気がした。それから、友達がくれた子宮収縮作用があるというモティアロッシャオイルをハンカチにたらして何度か香りを嗅いだ。乳頭マッサージも一日一回から二回に。

次の日は廊下の雑巾がけ。お腹が大きくてやる四つん這いの雑巾がけは初めての感覚で、面白い。これはヨガでいうところの下向きの犬のポーズじゃないか、と思ったりする。スクワット100回は膝がきつそうだったので、ちょこちょこと50回。夕方出掛けて、友達に会う。すると歩いてるときに張る感覚。わりと頻繁にくる。お、と思う。ラズベリーリーフのハーブティーを買って、飲んでから寝た。

散歩、スクワット、雑巾がけ、乳頭マッサージ、モティアロッシャオイル、ラズベリーリーフ。あとは今日はツボ押しをしてみよう。

どれも確実なものじゃない。来週生まれるかもしれないし、生まれないかもしれないし、生まれたとして何もしなくてもそうなったのかもしれないし、そういうのはわからない。ただやって身体に悪いことではないので、むしろどれも産後にも良さそうなことなので、やったらいいと思っている。

このくらいに出てこよう、と話しかけてもいる。都合のおしつけ?と思うと良くないかもなんだけど、どうなんだろう。最後には、出たい時に出ておいで、で締めつつ。予定を揃えて待ち合わせって、普通に人と人がやることではある。

お腹の子どもに意志はあるのか、声は届くのか、私の意志は関係あるのか。まったくのゼロじゃない気はするし、でもそんな思い通りにはならないとも思うし。

もちろん無事に出てきてくれるのが一番大事で、その他のことは二の次ではある。