copywrite:詩と文章
client:薄氷本舗 五郎丸屋
art direction:51%
硝子造形作家 山本舞衣の作品に五郎丸屋16代渡邊克明が触発され、
アートピースを食べる魔法のような琥珀糖が生まれました。
季節の移ろいのなかにある日々の実感や、一瞬のなかに永遠をみる東洋的な時間感覚を
琥珀糖がたどる変化に重ねて表現しています。
きせつのさがしもの
朝の風の匂いに
季節の移ろいを知った
硝子と、固めた砂糖水を
つらぬく理に気づいたのは
ギムレットの数寄を
丁寧に噛み砕いていたとき
どんなに良いときも
流れてしまう
よろこびもかなしみも
わたしもいつか溶けて
小さな粒へかえるときまで
さがしている
とらえようにない巡り
つかむと離れていくものを
よく見て、よく聞き、
うつした一粒の
それ以上はない
存在の価値の不思議