食費と農業革命

  食事はほとんど自炊で、夏からの数ヶ月は畑の自作野菜で野菜はほぼまかなえて、贅沢しているつもりもなく、冷蔵庫が小さいから気づかないうちに悪くしていて廃棄することもないし、無駄なくやっているつもりなのに、食費が安くならないなあ、とは思っていた。それがこの前、二人暮らしにしては高い、とはっき…

2018年01月11日

いろこよみ「常磐色」2017冬

  子どもの頃はだんぜんクリスマスのほうが好きだった。鈴の音、教会と天使、クリスマスツリー。そうしたものから異国の聖なる日を想像すると、胸が締めつけられてドキドキした。 実はイエスの降誕日ははっきりとはわからないらしい。クリスマスの日付は土着的な冬至のおまつりにのっとったもので、常緑樹を飾…

2017年12月15日

いろこよみ「竜田姫の赤」2017秋

  赤い色の服を着てきたんだよ。男友達が結婚した奥さんとの付き合い始めのころ、嬉しそうに話していた。だからなんだと思いつつ、デートには赤い服がいいらしい、となんとなく覚えてしまった。古来魔除けに使われるなど、赤は力のある色だ。 日本の四季にはそれぞれをつかさどる姫がいる。秋の竜田姫は風の神…

2017年10月01日

JR TOWER SQUARE STYLE 「眠る犬」2017.8

  メキシコ出身の現代美術の巨匠ガブリエル・オロスコの写真作品に、犬を撮ったものがあ る。だらんと脚を投げ出して、目を閉じた犬。彼の写真作品は、多くは意図的な介入があ り、なくてもなぜそれを撮ったのか見るべき視点は明らかなのだけど、犬に関してはいま いち分からず、ただ皮膚感の生々しさと、生…

2017年08月01日

葛の糸づくり-1 採集からムロまで

札幌で葛(くず)布を制作している作家・渡邊志乃さんに、葛の採集からの糸づくりを習った。一日目は葛の採集、ムロづくりのためのススキの採集、茹で、ムロづくりまで。 葛はもともとは北海道には自生していなかったが、根がよく張るので土砂崩れ防止のために持ってこられたのか、物流にまざって入ってきたのか分からない…

2017年07月03日

具体の仕事と働く子ども

  オアハカに到着したのは元旦の朝七時だった。オアハカの朝はメキシコシティやグアナファトの朝とは違っていて、ゆるやかな、ようよう白くなりゆくという時間の尺を感じることができた。オアハカには海もあり、標高は低い。夜行バスで寝ているうちに、メキシコ中央高原からずいぶんと下ってきたのだ。 とぼと…

2017年03月11日

土地の神様

  アステカの人々にとって、神話を相対化する視点はなかった。完全に宗教的に生きていたから、スペインの侵略者達と対峙したときも、それが誰なのか、アステカの人は神話の中で彼らの存在を理解したらしい。そして彼らを、神様の化身、もしくはその使いと思ったのだという(神話の中の言い伝えとの符号は、ある…

2017年03月10日

生贄の宗教

  お昼前についた国立民族博物館は、大晦日でも通常営業していて、ミュージアムショップが早く閉まった以外は不自由なく見て回ることができた。ここは建物がとても面白い。建物は大きな中庭を囲む配置になっていて、中庭には1本の柱で支えられた石盤が覆い被さっている。これがちょっとした超能力で浮いている…

2017年03月09日

朝の違い 色と時間

  大晦日の朝。夜にオアハカへ向かう夜行バスに乗るので、一度メキシコシティへ戻る。夜明け前にグアナファトの宿を出た。日が昇らないと、ヒートテックにダウンジャケットでも寒い。 高速バスに乗り込んだのは7時頃。まだ空は全体には暗くて、やっと際が薄く赤くなったくらいだった。車窓は大きくて広々とし…

2017年03月08日

谷の街とミイラ

  メキシコに来て六日目。メキシコシティを離れて、レオン州のグアナファトへ高速バスで向かう。メキシコは長距離移動といえばほとんどがバスなので、バスの設備がとても充実している。グアナファトまでは約6時間、東京から京都くらいの距離だ。バスは特等、一等、二等とあって、旅行者には目的地まで停まらな…

2017年03月07日