山川藪文庫

 

山川藪沢の利は公私共にせよ

 

富山県氷見市の里山に3年半かけて改修した仕事場兼自宅「山川籔文庫 sansensoubunko」。名前は「山川藪沢の利は公私共にせよ」と、山・川・薮・沢を現代でいうところのコモンズとして定めた養老律令のなかの言葉に由来しています。様々な仕事を通じて富山の精神性に触れるなかで、家を完全なるプライベート空間とせず、一部に公を含むことが暮らしや家族の健やかさに通じることを実感。改修の過程にはWSを開き多くの人に家づくりに参加いただき
(改修の記録:https://note.com/chieyabutani/m/m75dc5574f449
外と内の中間領域である土間を広く設け、外からよく見える場所に図書室を設けるなど、設計にも改修過程にも風土への学びを反映しました。下水道が通っていない地域のため生活排水は傾斜土槽法、トイレはコンポストトイレを採用、庭木には近所のフィールドワークから土地の生態系の一部となるような植物を選定し、微生物や動植物など人以外のいきものとの関係も意識しながら暮らしています。オープンハウスとミニマルシェ、読書会、身体表現のWS、薪ストーブとピザとパンの会など、地域内外の人がともに土地の暮らしを楽しめるイベントも開催しています。
(イベント情報:https://www.instagram.com/chieyabutani/

 

photo©Kenta Hasegawa