世界の子どもたちと繋がる

『はらぺこあおむし』

エリック・カール さく もり ひさし やく
1997年9月初版1刷 2012年8月初版294刷
2012年12月2版1刷 2018年8月2版182刷 偕成社

 

これまた定番中の定番。小さい頃から図書館、幼稚園など家以外の場所で目にする機会がたくさんあって、でも家にはなくて、あれ何なんだろって感じで、小さい頃からうっすら気になっていた。

親になって、絵本を色々買おう、でも何を買おうと思いながら子どもが0歳のころはよく図書館で絵本を見ていて、そこで中身をしっかり見て、果物の絵がとても気に入ったので、義母が何か絵本を買ってあげようと言ってくれた時に、買ってもらった。

子どもが10ヶ月くらいの頃は、絵本をみるのは好きなのだけど紙を食べてしまうということがあり、目を離した隙に口をインクで赤や青にしていたり、絵本がぐしゃぐしゃになりがちだったので、厚紙のボードブックタイプを買ってもらったのだが、正解だった。

逆に普通の紙タイプだと、これは果物やお菓子に青虫の食べた穴が開いていくのを指でたどったり穴に指を入れたりするのがひとつの面白さなのだが、ペラペラの紙に対してそれをどうやってやるんだろうか、子どもがかなりしっかり紙を扱える年齢になっていないと、破れたり千切れたり、ボロボロになってしまいそう、ということで厚紙タイプがおすすめだ。

一時期は毎週図書館に行って、子どもを横でハイハイさせながら、低年齢児向けの絵本の棚にあるものを片っ端から手にとって、定番以外の新しい何か、まだ見ぬ良書はないのかと探していて、それで出会ったものもあるけれど、それ以上に定番絵本は理由あって定番なのだということを痛感した。

絵の質感とか、情報の量とか、ちょうど良い密度とか、長く愛せるかとか、そういう色々なところで、定番を超えてこれ!となるものは、0歳児向けに関しては特に、ほぼなかった気がする。

はらぺこあおむしは、絵のカラフルさ、切り絵の線の優しさ、あとは数を体感できる仕掛けなどなどなど、良さが多義的というか、色々な利用方法ができるというか、絵本の良さって低年齢児向けは特に優れた実用品みたいな側面があって、それは小説とか哲学書といった文字しかない書籍とは全然違うところだ。

1歳8ヶ月になった今はそんなに開くことがないけれど、「数」というものを身につけていく時にはまた開くことがありそう。

余談だが、妊娠中にはじめて「ちょっと行ってみようかな」と絵本売り場に行った時、女子大生らしき二人組が「でも“はらぺこあおむし”以外はわりと大したことないんだよね」「そうそう、意外と、あれ?ってなるよね」と、まるでエリックカールがあおむしの一発屋であるかのような発言をしていた。

その時はあおむしについても、エリック・カールについても詳しくなかったので、ふうんそうなの?と思っただけだったが、今はそんなことはないよ、と思う。他にもいい本たくさんある。ただわたしにはどこか定番以外を掘り当てたい欲があるので、大御所のエリック・カールに関してはひとまずこの1冊があればいいかなという気もしている。

しかし世界中でどれだけの子どもたちがこの絵本を読んできたのだろう。この絵本を読むことは、たくさんの他の国の子どもたちと繋がることでもある気がして、それも嬉しいところだ。

ふと、世界で一番売れてる絵本て何だろうと思って検索したら、この「はらぺこあおむし」だった。検索上位にあった情報では35カ国以上で3300万部発行だとか。わーお。初版294刷、2版182刷はこのボードブックがだから、本家の絵本はもっと凄いんだろう。

ちなみに日本で一番売れているのは「いないいないばあ」らしいのだが、うちの子どもにはそちらはあまりウケが良くなかったので、買ってない。