優れたおもちゃのような本 

『はたけのともだち』

田島征三

1984年11月10日 第1刷発行 1987年2月20日 第6刷発行 童心社

 

わたしが小さい頃読んでいたものをそのまま、実家から持ってきた本。

わたしが生まれた年に発行されていて、その3年後に購入したようなので、当時のリアルタイムで親が買った本なのだなあと思う。もうだいぶ本としてはくだびれている。

きれい好きなおじいさんが育てている畑の野菜たちが、おじいさんのお昼寝中に動き出して、ダンスをしたり木登りしたりキャッチボールをしたりするうちに、畑はぐっちゃぐっちゃになって、起きたおじいさんが驚く、というお話。

「びりびりりん」「ぽこぽこぱん」などの擬音語が楽しくて、絵の色の透き通るかんじもきれいで、小さい頃とても好きだった。わたしの子どもにもウケがよくて、ごぼうがスポン!と抜けるところや、キャッチボールの軌道をしゅーっと音付きで読んだりすると、とても喜ぶ。

お話はあるけれど、とくに教訓とかはないのがいい。ページをめくるごとに違う野菜が出てくるのもいい。

最近は、しゃくしながダンス、といったページで子どももダンスしたりする。

子どもと一緒に読んでいて、もう本当に楽しい。ぐちゃぐちゃになった畑のページでは、ぐちゃぐちゃぐちゃ〜〜〜と言いながら倒れこんだり、手をわちゃわちゃ振ってぐちゃぐちゃの表現をしたり。

すごく優れたおもちゃのような絵本。ページをめくるごとに違う世界が展開して、面白いいろんな音が出て、一緒に踊ったり、投げる真似をしたり、状態を身体の動きで表現したり、一冊でこんなに楽しめるのかというくらい楽しめる。

こういう感じでたぶん、小さい頃のわたしも、この本が好きだったんだろうなあ。

 

 

そういえばこの、水色と赤の色のくみあわせも当時、好きだったのだ。なんかいい感じがする、なんとなく高まる、というのをこの色に感じていたと思う。

今も青と赤の組み合わせが好きなのだが、子どもが生まれて久しぶりにこの絵本を開いたとき、ああここにその組み合わせがあったなあと、影響されたのかどうかはわからないけど、小さい頃好きだった絵本に、好きな色の組み合わせがあったことを知った。

娘の反応をみていると、ほんとうにすごい絵本だなあと思うのだが、ジャケ買いすることはないと思う表紙。家にあったからこそ出会えた気がする。絵本て、表紙の印象と中身がだいぶ違うことも多い。これは損しているほうではないかしら。