うんち博士

赤ちゃんのうんちはかわいい。

生まれたての、胎内にいたときに溜まっていたものが出る胎便は、のりの佃煮みたいだった。二回目以降は、真っ黄色のビビッドな、おしゃれな色のものが出るようになった。最近も基本は黄色いけれど、渋いカーキ色のものが混ざることもあって、臭みも出てきて、成長を感じる。

うんちは健康のバロメータなので、夫がオムツ替えをした時でも、私はその内容をチェックする。そして、「いい色だね〜」「いい固さになってきたね〜」「ちょっと発酵気味だね〜」「ムース状だね〜、あわあわしてるね〜」などコメントする。

一度エメラルドグリーンのものが出たことがあって、腸内で発酵すると緑味が増すらしく、なのでエメラルドグリーンのそれは大丈夫な範囲内だけどずっと続くなら要注意かもくらいのもののようだが、あんまりきれいな色だったので思わず写真を撮った。

大丈夫健康、の範囲のうんちの中でも、固さ、色、固形物の混じり具合、泡立ってないかどうかなど、おそらく、理想的なそれというのが、でもそんなに気にしなくてもね、というようなものが、あるようだ。

それを求めて、ということまではしないけど、なんとなく、授乳間隔や量との相関を気に留めながら、オムツ替えしている。

育児書通りにいかないのが育児、というのは理解した上で、逆に、だいたい一般的にいわれてる通りになると、驚くというか、感心するというか、ほんとにそうなんだなあと思う。

娘は当初飲んだら出る、うんちマシンみたいだったのが、二ヶ月半を過ぎたあたりから、それまで一日に八〜十回くらい出ていたのが、一、二回になった。それは腸が成長して、ある程度溜められるようになってきた、ということらしい。体重の増加は一番の気がかりであり、目が合って笑うようになって心が通っていく過程はとても喜ばしく、首がすわったりハイハイしたり歩いたりの変化は何より顕著な発達だけど、内臓もまた、日々成長しているのだ。

排泄物に親が気を留めることは何歳くらいまで続くんだろうか。オムツがとれたら終わり、でもないだろうと思うと、けっこう長い期間が想定される。それだけの時間うんちと向き合うのだから、育児をする人は少なからずみな、うんち博士になる、と思う。