すぐに涙が出る

 

ずいぶん暖かくなってきた。お昼前に藤沢駅北側の母が通うジムで待ち合わせて、昼食を食べてから稲村ケ崎へ行った。

お昼は中学の部活の同級生の家がやっているカレーうどん屋さんへ行った。藤沢に戻って来てから何度かお店の前を通っていて、その話を母にしたらなかなか評判ということで、行こうとなったのだった。友達の家は、中学生だったころにはまだカレーうどん屋ではなくパン屋で、そのお店の二階・三階にある住居部分によく遊びに行かせてもらっていて、お店をやっているお家ってこういうかんじなんだなぁと何に対して思ったのかは覚えていないけど、そう思わせる何かが楽しくて好きだった。

うどん屋はとても繁盛していて忙しそうだった。お母さんらしき人がお水を持って来てくれたので話しかけたら覚えてくれていて、厨房にいた友達を呼んでくれた。今日はたまたま仕事が休みでお店を手伝ってたそうで、嬉しい偶然のおかげで会うことができた。

友達はメガネをかけていたのがコンタクトになっていた以外は変わっていなくて、凄く懐かしくなって私は涙ぐんでしまった。涙もろいのは妊婦になったせいなのか、昔からそうだった気もするし、わからない。ただ近頃とみにすぐ涙が出てくる。それはもう簡単に出てくるので涙にあまり意味を感じないくらい。

ただ友達に会えたことと変わってないことが嬉しかった。中学時代は私の人生のなかで一番メインストリームにいたような時期で、いわゆるスクールカースト的なものがあり、私はそれが一番高いバスケ部だったのでその恩恵はうけつつ内部はどろどろギスギスしていてなかなか大変で、その中でその子は凄く優しくていじめとか嫌がらせとかしない子だったのでその子がいたからバスケ部でいられたような、なんかそういう感じが、変わってないその子の雰囲気によみがえったのかもしれない。

 

稲村ケ崎の温泉に入って少し歩いて乗った帰りの江ノ電は観光客で混んでいた。藤沢まで立ちっぱなしでも仕方ないかとできるだけ空間の空いた場所に立った私に、少し離れたところから中国人の女の人が席を譲ってくれた。混んでる電車に乗るのは札幌ではほぼなかった(あと札幌の地下鉄は優先席じゃなくてそれに相当するものは”専用席”だった)藤沢に戻ってきて味わう久しぶりのことで、マタニティマークをつけていても気づいてもらえないことがけっこう多くて、そもそも寝ていたりずっとスマホみてたり優先される身体的負荷がなさそうなのに優先席に座って周りに注意しない人ってけっこう多いんだなと思いつつ、明らかにお腹の大きい妊婦以上に全く見た目にはわからない妊娠初期のつわり時期のほうが辛いし胎児的にも大事にして欲しいんだよなと思いつつ、今はそんなに長い距離を乗ることもないので混んでる時には立ってるのだけど、譲ってもらえると嬉しい。かつ目の前に立ってじゃなくて、数歩歩いて私に声を掛けてくれたので、気づいてくれたんだなと思って嬉しかった。これには涙は出なかったけどとても嬉しかった。